ヴァイマール共和国史 ハンス・モムゼン 水声社 |

平成13年9月30日
Die verspielte Freiheit, Hans Mommsen

ハンス・モムゼンは、歴史家テオドーア(ル)・モムゼンの曾孫。
ハンス・モムゼンは、いわゆる独逸国会放火事件において、
共産党員の単独犯行説をとっている。
なんとか残っている残存文献においてのみは、
その可能性はありうるが、
おそらくは、ゲーリング一派の放火であろうとするのが、
真実だとおもう。
なぜなら、国会放火がなければ、ナチ党は、
国家非常事態宣言を出せなかったし、
その宣言を出すためには、国会放火の
一陣の舞い降りた落雷は偶発的であり、かつ
ベスト・チョイスでもあったろう。
それ位、ヒトラーという芸術家くずれの政治屋は、
イッテル男だし、周りの連中もイッチャッテル者ばかりである。
この情勢では、コミンテルンが放火するに違いないと、
モムゼンのような独逸伝統主義者は考えたいだろうが、
ヒトラーの性質を考えれば、おそらくはほぼ、
放火したに違いないと考えるのが妥当である。
共産党員の死体を一つ、現場に置いてきただけであり、
ナチスシンパが放火したに相違あるまいよ。
ドイツ帝国の伝統を守る上ではそうとも考えたいが、
ヒトラーの性格を考えると、そうしなければ、逆に
新しい第三帝国を造ることが出来ないだろう。
これは残存した文献学で考えるよりも、
芸術史で考慮すべき事例であろう。
目次
ドイツ帝国の崩壊
ドイツ革命
民主主義の確立
国内の講和拒否
議会主義体制の存続をめぐって
外交と内政における再建
議会外勢力の攻勢
議会主義体制の崩壊
ナチ党の突破
危機のなかの政府大統領独裁への道
クーデタをちらつかせる政府
権威主義的独裁からファシスト的独裁へ
内容
第一次世界大戦終戦から第二次世界大戦開戦前まで、ドイツ・ワイマール共和国における政治的変遷を、社会情勢、経済状況、外交関係、政治的力関係などの多方面の事実をもとに克明に分析する。ドイツ正統派歴史学の重鎮による、ワイマール研究の最先端にして基礎ともいうべき,圧倒的大著。
ローマの歴史 モムゼン 名古屋大学出版会
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000003027292/jpn
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/3781014.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489176449X/