近代「出版者」の誕生 西欧文明の知的装置 箕輪成男 出版ニュース社 |

箕輪成男 近代「出版者」の誕生 西欧文明の知的装置
出版ニュース社 平成23年6月30日 354頁 3300円
古代・中世に知識・情報の伝達手段として写本出版は、大きな役割を果たしたが、近世・近代に入ると活版印刷が登場し歴史の進行に決定的な影響を与えることになった。
14・15世紀のルネサンス末期写本出版に対して、16世紀の文化革命はヨーロッパに言語革命を引き起こした。
出版用語としての国語、国語としての出版用語の成立である。
そうしてベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」が形成される。
17世紀は科学革命の時代であり、知識の公共化が進む。
知識公共化の中心的な方法が出版であった。
そうして活性化した社会と出版は18世紀に入ると、デフォーの言葉どうり商業的出版・商業ジャーナリズム的様相を濃くしたのである。
さらに19・20世紀の出版流通革命、出版価格革命を経て現在の出版過剰時代に突入している。(344-345)
この纏め方上手い。
すすっとこういう風景で描けるといいわ。
いじりようがないわ。
参考文献にあがってはいない、あげないだろうの
いい本もって並べていらしゃるんだろうな。
洒落として書庫影印をあげてほしい。
目次
第1章 近代「出版者」の誕生(万里横行の四人;ウエストミンスターのキャクストン;ロンドンのウオルデ;ニュールンベルクのコーベルガー;アントウェルペンのプランタン;四人のトポロジィ)
第2部 出版史断章(トマス・クリード:エリザベス時代の印刷家;ビブリオポーラの系譜;近代出版産業の成立と解体)
内容
初期の印刷業者が、ただやたらに印刷しまくっても商売にならないと覚ったとき、「出版者」が誕生した。彼ら「出版者」の活躍によって16世紀出版業は、資本主義経済の先端産業となった。箕輪出版学の大胆な挑戦。全5冊完結
紙と羊皮紙・写本の社会史 箕輪成男 出版ニュース社
パピルスが伝えた文明 ギリシア・ローマの本屋たち 箕輪成男 出版ニュース社
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011227142-00
http://opac.ndl.go.jp/recordid/000011227142/jpn
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/4816610.html
http://www.amazon.co.jp/dp/478520141X
http://www.snews.net/database/book/bookdb_v4.cgi?mode=shomei&num=978-4-7852-0141-8