ライトノベルから見た少女/少年小説史 大橋崇行 笠間書院 |

大橋崇行 ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために-
笠間書院 平成26年10月20日 299頁 1800円
The History of entertainment for Young Adulthoods and the Consideration about characters
まんが、アニメ、ライトノベルといった文化が
近代以降伝統的に書かれてきた日本独自のものであり、
だからこそ素晴らしいものであると、無条件に語ろうとするものではない。
少なくとも少年小説を観るだけでも、日本のキャラクター文化は、
ヨーロッパから輸入された物語の作中人物の系譜と、
講談や江戸期の絵本を中心とした系譜とが重なり合うところで発生している。
そして、この中の特に絵本の系譜については、江戸期から明治期にかけておこった漢文学の隆盛、
中国で書かれた小説の輸入という問題を無視して考えることはできないのである。
(256)
それはラノベに対してはそうなのだが、
日本の独自文化は、どういっても独自文化であり、
江戸絵草紙はチャイナ・インドからの輸入という意識を
そもそもがもっていない。黄表紙は妖怪ファンタジーである。
ヨーロッパ輸入のイソップ物語は確かに影響を与えたとされるが
絵草子らには泰西の影響があったとは
読者が誰一人もっていないからには
あったとは認めがたいのではないか。
異国情緒としては紅毛文化はあるものの
物語にする程の影響があったとは
これまた認めがたいものではないかね。
物語ではなく阿片戦争の凶暴な軍事力におののいた。
明治期のちりめん本はあったけれども、
そもそも部数がなさすぎて、当時から既に
稀覯本の様相を呈していたのではなかろうか、
紅毛文化と近世の人々 岡宏三 洋学 3 洋学史学会研究年報 八坂書房
ちりめん本のすべて 明治の欧文挿絵本 石澤小枝子 三弥井書店
西学東漸と中国事情 「雑書」札記 増田渉 岩波
出版ジャ-ナリズム研究ノ-ト 岩崎勝海編 図書新聞社
目次
はじめに(一般文芸のライトノベル化という現象を前にして
「まんが・アニメ」文化は、「おたく」文化として特権化されてきた ほか)
第1章 ライトノベルとキャラクター(ライトノベルの現在
一般文芸のライトノベル化 ほか)
第2章 「少女小説」「少年小説」「ジュブナイル」(少女小説
少年小説
ジュブナイル)
第3章 "キャラクター"論(高垣眸の位置
一九七〇年代ライトノベル「起源」説の実態 ほか)
内容
特権化されてきた、まんが・アニメーション文化論を超え、現代日本の物語文化を考え直す。"少女小説"と"少年小説"が、戦前から戦後にかけてのまんがの成立を大きく規定し、日本の「まんが・アニメ」文化の礎を築いてきたのではないか-。大塚英志〜東浩紀を経てゼロ年代批評に至る既存のサブカルチャー論に、文学研究の視点から全面的に反論。日本のキャラクター文化言説の再編成を行う、刺激的な一書。
ジャポニスム 印象派と浮世絵の周辺 大島清次 美術公論
ジャポニスム 幻想の日本 馬淵明子 ブリュッケ
絵画の東方 オリエンタリズムからジャポニスムへ 稲賀繁美 名古屋大学出版会
花の様式 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ 由水常雄 美術公論社
ジャポニスム入門 ジャポニスム学会編 思文閣出版
版画のジャポニスム コルタ・アイヴス 木魂社
壁紙のジャポニスム 松村恵理 思文閣出版
唯美主義とジャパニズム 谷田博幸 名古屋大学出版会
美のジャポニスム 三井秀樹 文藝春秋
ジャポニズム小説の世界 アメリカ編 羽田美也子 彩流社
もてなす悦び―ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会
鈴木春信名作撰 福田和彦 ブックマン社
絵金画譜 岩崎美術社 金五郎と歌方姫
近世やまと絵再考 日・英・米それぞれの視点から 下原美保編 ブリュッケ
風雅の図像 樹下龍児 ちくま学芸文庫 八宝と暗八仙
日本の文様 第1集 斎藤磐 青幻舎
明治の輸出工芸図案 起立工商会社工芸下図集 京都書院
藝術の日本 サミュエル・ビング編 Le Japon artistique
明治日本美術紀行 ドイツ人女性美術史家の日記 フリーダ・フィッシャー
浮世絵とパトロン 天皇・将軍・大名の愛した名品たち 内藤正人 慶應大
明治版画史 岩切信一郎 吉川弘文館
日本出版百年史年表 日本書籍出版協会
絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ 鈴木俊幸 平凡社
夢二と大正時代Ⅰ 港屋絵草紙店と大正ロマンの夢二デザイン 展 ―大正元~4年を中心に―
こしかたの記 鏑木清方 中公文庫
版画のジャポニスム コルタ・アイヴス 木魂社
活字印刷の文化史 小宮山博史・府川充男編 勉誠出版
江戸の本屋さん 今田洋三 平凡社
こしかたの記 鏑木清方 中公文庫
江戸の蔵書家たち 岡村敬二 講談社
和本への招待 樋口候之介 角川選書
木村三四吾著作集 3 書物散策 近世版本考 八木書店
江戸の声 黒木文庫でみる音楽と演劇の世界 東大出版会
女の生活 三田村鳶魚 青蛙堂書房
本道楽 中野三敏 講談社 集書の心得
和本の海へ 中野三敏 角川 西洋の学と相拮抗する成果は国文・国史の学
書誌学談義 江戸の板本 中野三敏 岩波
江戸狂者伝 中野三敏 中央公論新社
近世新畸人伝 中野三敏 岩波
十八世紀の江戸文芸 中野三敏 岩波 雅俗融和
内なる江戸 近世再考 中野三敏 弓立社
くずし字で「百人一首」を楽しむ 中野三敏 角川
日本出版百年史年表 日本書籍出版協会
作者不明 長崎藍色チロリ 江戸中期
作者不明 長崎藍色チロリねじり提げ手つき 江戸中期
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025819703-00
http://id.ndl.go.jp/bib/025819703
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/29803363.html
http://www.amazon.co.jp/dp/4305707438
http://kasamashoin.jp/2014/09/post_3009.html
まんが・アニメ・ラノベと世界文学という地平― 大橋 崇行 ... - ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/1415767611